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長期優良住宅のつくり方

 

「長期優良住宅」は、地域資源を活用し、地域の気候風土に合った住まい。地域経済の発展や地域の住文化の継承、木材自給率向上による林業活性化を目指している。そんな長期優良住宅には、いったいどんな特色やメリットがあるのだろうか。

 

 

 

1.耐久性に優れた、維持保全の容易な住宅づくり

〜床下・小屋裏の換気、防腐防蟻等〜

長く住める家にするには耐久性が重要。雨水や結露、地面からの湿気やシロアリなどを原因とする木材の腐朽や蟻害は、住宅の寿命を縮める恐れがある。これを防ぐには、床下や小屋裏、外壁の腐朽などを軽減するべく、通気や換気に適した工法の採用、耐久性の高い材料の選択、防腐防蟻対策が必要。床下や小屋裏の点検を容易にするため、床下の高さ確保や点検口の設置も大切。

 

 

2.設備の更新性に優れた住宅づくり

〜点検・交換が容易な設備配管〜

住宅の設備については、一般的に構造部材に比べて耐用年数が短く、不具合も起こりがち。時には、将来の生活や技術の進歩への対応が求められる場合もある。よって、設備機器や配管・配線は、構造躯体と分離して点検口や掃除口を設置すること。納まり具合や工法を工夫することで、最初から点検・清掃、補修、交換が容易にできるようにしておくことは大きなポイント。

 

 

3.将来の変化に対応できる住宅づくり

〜可変性の高い空間、居住面積の確保〜

将来の家族構成やライフスタイルの変化に備え、大規模な改修をしなくても間取りや部屋の使用方法の変更が容易にできるようにしておくことが大切。撤去や移設が想定される部分には、最初から耐力壁や設備を設けないなどの配慮を。豊かさやゆとりの確保、間取り変更に柔軟に対応するには、適切な居住面積をあらかじめ確保しておくことが必要といえる。

 

4.耐震性に優れた住宅づくり

〜バランスのよい耐力壁の配置〜

縦方向に自重、横方向に地震や風の力がかかる建物では、上部構造が受けた力を、基礎部分を介して地面に円滑に伝えることで、構造的な安全性が確保される。そのためには、適切な量の耐力壁をバランスよく配置、2階の床や屋根面をしっかり造る、接合部を強固に結びつけることが必要。これにより、大きな地震や風が発生しても倒壊せず、損傷も最小限に抑えられる。

 

5.地球環境に配慮した住宅づくり

〜省エネルギー性・快適性の向上〜

温暖化など環境負荷を抑えるため、エネルギー消費の削減は重要な取り組み。居住時のエネルギー消費を削減するには、地域の気候特性や住まい方に配慮し、建物の断熱性能や日射遮へい性能の向上、自然風・太陽熱などの自然エネルギー活用、冷暖房や給湯設備の高効率化などの技術を適切に選択することが大切。快適性向上や光熱費削減にもつながる。

 

 

 

6.住宅管理システムが履歴を管理

〜可変性の高い空間、居住面積の確保〜

家を長持ちさせるには、点検や修繕などの維持保全を日常的・計画的に行い、その記録を保存することが大切。長期優良住宅の家は、図面や書類、点検・修理の記録などの住宅履歴情報を電子データ化して蓄積するシステムで管理。住み替えなどで家を売却する際も、この住宅履歴情報があれば、適正に資産価値を評価してもらうための判断材料になる。

 

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