トップ > コラム一覧 >石州瓦広島の風土に根付く石州瓦の魅力

石州瓦広島の風土に根付く石州瓦の魅力

台風や潮風の影響を受ける沿岸地域や寒暖の差が大きな豪雪地帯など様々な気候の特色がある広島。
耐水、耐風、耐久性を持つ石州瓦はこの地域に適した屋根瓦であると言える。美しい日本、美しい広島の景色を作る石州瓦の魅力を紐解いてみよう。

Kawara case1 木の優しさに包まれた大人の上質な平屋の家

「住むなら木の家。それも日本の伝統的な工法で、大工さんが手刻みで建ててくれる家がいい」と木の家を心から愛してやまないご主人。ご夫婦ふたりの暮らし。夫婦が心から気に入り、安らげる住まいを望んだ。
平屋で玄関は西側に。バスルーム、トイレ、寝室は広く。ウォークインクローゼットの収納スペースなどの希望を伝えた上で、工務店から提案された図面は、ご夫婦が一目見て気に入ったものだった。
リビングの天井は、木材のたくましい組み手があらわになっており、木の家が好きなご主人の目を癒やしている。またキッチンは魚釣りや料理が好きなご主人に合わせて広めに計画。使い勝手も良い。パントリーもあり収納量は申しぶんない。和室の床柱のエンジュの木は奥様が選んだこだわりの1本。また南の掃き出し窓にある特注の葦戸もご夫婦のお気に入りで、家のどこをとっても上質感が漂う。大胆な中にも繊細なこだわりが行き渡る大人の住まいとなった。

 


リビングダイニングには梁や組み手があらわになっており、ダイナミックな空間に。ご夫婦で作業できるようにキッチンは広く開放的に。陽光と風を取り込むため、日本古来の建具である葦戸を取り入れたこともご夫婦のお気に入り。


取材協力/永本建設株式会社


Kawara case2 黒い平板瓦が堂々の佇まい東広島の気候にもマッチ

 

冬は気温が低く雪の多い地域。その一方で夏は蒸し暑いという気候を合わせ持つ東広島市。S様邸は腰板を施した和風建築に石州瓦の平板瓦葺きが、外観をさらに重厚感あるものにしている。切妻屋根の1階と2階が立体的に交差しているデザインも特徴的だ。夏の室内を涼しく、そして冬は暖かくなるようにウッドデッキの軒を深く張り出して、一年中快適になるようにしていることも、この地域ならでは。

 


腰板と黒い石州瓦のある屋根の外観は、東広島市の地域性に合った佇まい。風格も感じられる

 


無垢の木をたっぷり使った清々しい室内。手前のダイニングと奥のリビングは明るいところに設置した

 

夏は高い位置からの強い日差しを遮り、冬は室内に陽光をたっぷり届ける深めの軒。ウッドデッキはS様邸の心地よいセカンドリビングに

 


手前がダイニングで、カウンターの向こうはキッチン。キッチンはガスコンロを設えたため、キッチン上部の垂れ壁はガラス製にした

 

取材協力/橋本建設株式会社

 

Kawara case3 室内の温度差をなくすZEHの家



和を感じさせる外観と、西条町の雄大な山々と町並みを望む大きな窓。そしてヒノキの大黒柱と中2階に作られたスキップフロアが印象的な木の住まい。太陽光発電を携え、基礎断熱、樹脂サッシを始め高い断熱性を持つゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)で、エアコン一つで一年中、家全体が適温に保たれている。それは1階と2階の温度差が常に1度前後しかないという快適さだ。紺をアクセントカラーにしたモダンな和の佇まい。4本の柱で支えた深い軒が印象的。基礎断熱や樹脂サッシを用いたZEH住宅で、玄関ドアも断熱性の高いものを選んだ

 


「この4本の柱の色に悩んだ」というご主人。ブラウンを選んだ結果、大人っぽく引き締まった外観になった

 

取材協力/豊北木材工業株式会社

 

Kawara case4 洋風の外観にも合う石州瓦景観に馴染むデザイン



南フランス風の外観が印象的な広島市佐伯区のH様邸。和風建築のイメージが強い石州瓦だが、このように洋風デザインの住まいにも合う石州S形瓦・洋風瓦も揃っている。
H様邸の室内には薪ストーブも設置してあり、瓦屋根の上にはかわいい煙突も。瓦の持つ曲線が表情豊かな外観を作り出し、周囲の景観とも馴染んでいる。この薪ストーブのおかげで暖かな冬を過ごすことができるH様家。石州瓦は丈夫で耐久性・耐風性能が高いことはもちろん、断熱性能も高いため、石州瓦はこの家の暖かさにもひと役買っている。

 


玄関アプローチやウッドデッキにはしっかりと深い軒を設置したH様邸。そこにももちろん石州瓦が施され、快適な室内空間を作っている

 

Kawara case5 自然素材を用いて季節を楽しむ和風の家

 


壁は漆喰塗りに焼き杉の腰壁を貼り、屋根瓦に島根の石州瓦を用いた和風の構え。屋根は外断熱工法に加え、断熱材の上に通気層を設け断熱性能を高めている。軒を深く設けて、夏の強い日差しを遮り、洗濯物が雨に濡れない工夫も。前の住まいにあった石灯籠をそのまま使った玄関アプローチは、歩きやすいよう緩やかな傾斜にしてある。

 


リビング側に設けられた縁側は、朝夕、洗濯物を干したり取り込んだりする家事が楽にできるように配慮されている

 

取材協力/橋本建設株式会社

 

瓦屋根の魅力

独自の製法による高い機能性


石州瓦の一番の特徴は耐久性だ。雨、積雪、日射、風、潮風など過酷な気候条件でも50~60年、それ以上劣化をすることなく住まいと家族を守る。その機能性の高さは原材料となる都野津層の粘土と、1200度以上という焼成温度の高さにある。

 

防風

石州瓦は互いにがっちりかみ合う組み合わせ構造。山陰に吹き荒れる強風にあっても、瓦のめくれやズレを最小限にとどめる

 

耐震


石州瓦の重い屋根が建物を大地に押し付けるので、躯体さえしっかりしていれば、地震の揺れにも強さを発揮する

 

防音・耐久

風や地震に強く耐久性がある上、断熱、防露、遮音といった二次的性能も優れている。このため住まいの快適性や省エネにもひと役

 

 

 

 

多彩なデザインで洋風住宅にも

石州瓦は、現代の暮らしに合う洋風住宅用デザインも豊富だ。モダンでシンプルなフレンチスタイルにはシャープで落ち着きのある外観を生み出す『平板瓦Fタイプ』。また『S瓦タイプ』は明るい地中海をイメージ。色や形状も多彩に揃う。

 

長期的に見ると断然オトク!


一般的に10年おきに塗り替えが必要な金属製や化粧スレート等の屋根と比較すると、石州瓦はほとんどメンテナンスフリー。ほとんど劣化や色褪せなどがないので、塗り直しや葺き替えの必要がなく、30年以上の長期的なコストを見ると経済的な屋根と言える。

back_to_top